転職の真のゴールは、入社後の定着
転職活動において内定を獲得することは、一つの通過点です。内定を取って終わりではなく、転職先で定着することで初めて転職に成功したと言えるでしょう。なかには入社前の理想と、入社後の現実のギャップに悩んで短期離職をしてしまう人もいます。企業に期待を抱かせてしまう優秀な経歴な方ほど、入社後のギャップが生まれやすいため注意が必要です。
優秀な経歴がバイアス(先入観)をかけてしまう原因
入社後の活躍を期待させてしまう経歴として、次のようなものがあります。
- 高学歴(偏差値の高い大学や理系工学部卒など)
- 知名度の高い企業の就業経験
- 明確な実績(表彰や成績上位)
- 難関資格を取得している
上記のような「競争を勝ち抜いてきた」と感じ取れる経歴は、求職者の能力や努力の証として評価される要素です。しかし”優秀そうな人材”という印象が先行してしまうと、時に面接官の目を曇らせてしまいます。
相互理解が浅いまま、内定が出た場合のデメリット
積極的に人材の採用をおこなっている企業は、”優秀そうな人材”を不採用にする理由がありません。面接官も応募者の心証をなるべく損ねないよう、突っ込んだ質問を避けて、求職者が自信が無い旨を伝えても「謙遜しているのだろう」と歪曲して受け取られることさえあります。
入社前のイメージと入社後のギャップ
企業と求職者の相互理解が浅いまま入社に至ると、入社後のギャップに苦しむ危険性が高くなります。
- 仕事内容が聞いていた内容と違う
- 業務の進め方や会社の方針が合わない
- 求める成果が高すぎて居心地が悪くなる
- まともな指導がなく放置に近い
ただし、入社前に働くイメージを100%すり合わせることは困難であり、入社後にギャップは多少とも感じるものです。一方であまりにも理想と現実の差が激しい場合、仕事のやりがい自体を見失ってしまい、短期離職に繋がる要因になってしまいます。
入社後のギャップを避けるには逆質問がカギ
面接官の多くは採用の専門家ではありません。上記のようなミスマッチがあることを想定せず、人材不足を解消したいために多少の違和感を感じても「とりあえず採用」を判断する場合もあります。
求職者も自衛が必要です。ひたすら受け身に面接官の話を鵜呑みにするのではなく、質問をしてミスマッチを減らしていきましょう。選考の過程で「特に質問もしてこない」「一緒に働こうという熱意を感じない」場合は、一度立ち止まって見るのも大切です。
転職活動の正念場は入社後です。「転職活動の短さ」や「内定の獲得した数」が入社後の満足度とイコールではなく、逆に簡単に決まりすぎたが故に入社後ミスマッチが生まれるというケースがある事も理解しておきましょう。