職場での人間関係の悩みは大きなストレスになります。退職理由に関する各種調査では「人間関係が良くなかった」という理由が上位になることが多く、その背景には社内でのコミュニケーションが円滑に取れないことも考えられるかもしれません。今回のコラムでは、職場で良好な関係性をつくるためのコミュニケーションの技法を3つ紹介します。
1.相手の話に関心をもつ
仕事を進めていくうえで、チームメンバーとの意思疎通や良好な関係構築は欠かせません。その手掛かりになるのが、相手に関心をもつことです。なぜならば私たち人間は、自分自身のことに一番の関心があり、他人からの関心を渇望しているからです。
言葉よりも態度
コミュニケーションにおける感情や好意は、言葉よりも態度の方が約8倍も伝わりやすいと言われています。たとえば謝罪するときに「すみません」と発しても、表情が憮然としていたり不貞腐れた態度だとしたら、心からの謝罪とは感じられません。
同様に、関心を寄せていることを相手に伝えるためには、相手の話に真剣に耳を傾けようという心構えで接することが大切です。
関心が伝わる態度
- ときどきアイコンタクトをとる
- 大事なところでうなづく
- 時には身振り手振りで表現する
- 背筋を起こし、やや前傾の姿勢
2.ジャッジしない
あなたの周りには物事の善し悪しを、自分の価値観だけでジャッジ(審判)する人物はいないでしょうか。たとえば次のような応答がジャッジに該当します。
- 「それは違う」
- 「当たり前でしょう」
- 「常識的に考えて」
- 「○○すべきだ」
ジャッジされた側は不快感を覚えることがほとんどです。「この人には話が通じない」「自分の意見を押し付けてくる」と心を閉ざして距離を置くか、ジャッジを恐れて本音を抑制します。結果的に双方向のコミュニケーションから遠ざかってしまいます。
相手の考えをいったん受け入れる
ジャッジするのではなく、否定も肯定もせず相手の話を受け容れることを意識します。もしもあなたの意見を伝えるとすれば、その後です。
- 「ふむふむ」「なるほど」「そうなんですね」と、合いの手を入れる
- 「〇〇ということですか」と、相手が伝えたい要点を返す
- 「〇〇な気持ちなんですね」と、相手の感情を反映する
- 「教えてくれてありがとう」と、感謝の気持ちを伝える
- 「その考えも良いよね!」と支持する
3.アイメッセージを使う
自分の考えを伝えたいときや意見を求められた場合、自分を主語にしたアイメッセージを使うと、相手を尊重しつつ柔らかい印象を与えやすくなります。
- 私だったら〇〇って考えるかなぁ
- 私は〇〇だと嬉しいです
- 個人的には〇〇の方が良いと思います
まとめ
いかがでしょうか。相手の話に耳を傾け、ジャッジをやめて受け容れることで、相手との距離感が縮まり、コミュニケーションが円滑になり、良好な人間関係を築く手助けになるはずです。