正当な評価を受けられないのはなぜ?
「仕事に頑張って取り組んでいるのに、会社から評価されていません」というご相談をいただくことがあります。
評価されるための大前提として、所属先の企業が設定している評価基準にコミットすることが必要です。たとえば目標管理制度と呼ばれる評価制度を導入している企業であれば、「個人目標の進捗や達成度」によって評価が変わります。
しかし会社の評価基準にコミットしているのにも関わらず、評価をされないと感じることもあるでしょう。原因は、評価をする立場の「企業」と評価をされる立場の「本人」の双方に考えられます。
企業側に考えれる問題点
評価制度を正しく運用できていない
人事評価制度を表面的に導入していても、運用できていないケースがあります。そのような職場では、正当な評価を受けることが難しいでしょう。たとえば次のようなケースです。
- 評価制度とは名ばかりで実態を伴っていない
- 評価基準があいまいで、ブラックボックス化している
- 評価者(経営者や上司)が被評価者(あなた)への職務理解が浅い
- 評価者の認知バイアスや感情が入ってしまい、評価に公平性を欠く
- 評価者が会社に忖度して評価を歪めている
会社の都合で評価が給与に反映されない
評価=給与と捉えたときに「賞与が前年と比べて下がった」「昇給が思っていたよりも少ない」といった場合、評価がされていないのではないかと勘繰ってしまいがちです。しかし会社の状況によっては、評価を給与に反映できないこともあるでしょう。
会社の業績が悪い
個人成績が良くても、会社の業績が悪ければ給与の査定は厳しくならざるを得ません。この考え方は、野球やサッカーといったプロのチームスポーツに似ています。選手が孤軍奮闘しても、勝利に結びつかずチームの成績が芳しくなければ、優れた選手でも年俸は下がることもあります。同様に企業においても一個人が頑張っても、業績が伴わなければ満足のいく昇給は難しいでしょう。
相対的に評価が低くなっている
相対評価を取り入れている企業の場合、社内での競争も意識しておく必要があるでしょう。仮にあなたが前年比110%の好成績を上げても、他のメンバーが前年比150%や200%という成果を上げていれば、相対的にあなたの評価は低くなる可能性があります。
評価が頭打ちになっている
現在の職務・役職において、すでに最大限の評価を受けている場合、成果をあげても給与が変わらないということもあります。いわゆる「上がつっかえている」組織で昇格が難しい状況では、昇格や昇給が頭打ちになってしまいます。
本人側に考えられる問題点
ここまで企業側の評価制度の問題点を挙げましたが、本人側の問題も考えられます。
利益への貢献度が低い
会社は利潤を追求をする組織なので「利益への貢献度」が評価の根底にはあります。このポイントを履き違えると、評価されない努力となるので注意が必要です。
たとえば「がんばって資格を取ったのに評価されない!」と言う場合です。しかし「利益への貢献度」という視点で捉えると、資格取得が生産性の向上やマネタイズに繋がることで初めて評価されると言えます。
勤務態度が悪い
評価制度にコミットできていたとしても、その働きぶりが独善すぎて、むしろチーム全体の足を引っ張っているような場合は評価が下がる恐れがあります。たとえば次のような場合です。
- 助け合いの意識が低く、チームの生産性を下げている
- メンバーに対して不遜な関わり方をしている
- ハラスメント行為を頻繁におこなっている
- 遅刻や無断欠勤が多い
- 挨拶、報連相ができない
利益の貢献に繋がっているか働きを見直そう
仕事で評価されるために意識すべきは、会社の利益への貢献です。「成果」はもちろん、利益に繋がる「行動」や「態度」も評価の対象になりえます。「どうすればより利益に貢献できるだろう」という意識を高めていきましょう。
しかし、それでも理不尽な評価を下す会社があるのも事実です。最善を尽くして納得のいく評価を受けられないのであれば、その働きぶりを評価してもらえる職場に転職するしかありません。
転職を検討する場合は、キャリアコンサルタントや転職エージェントといった専門家に相談することをお勧めします。利害関係の無い第三者に相談することで、客観的なアドバイスが得られ、ご自身も気付いていない方策が見つかる可能性もあります。