資格があれば転職できる?
「転職に有利になると思い、〇〇の資格を取得しました。」
資格さえあれば転職できると考える方は、意外と少なくないように思います。果たして資格があれば転職に有利なのでしょうか。
なによりも企業ニーズを満たすこと
まず前提として、多くの企業の中途採用は”即戦力”を求めています。企業側には、人材育成にかかる手間やコストを抑えたいという考えがあります。そのため「実務経験がない有資格者」よりも「無資格でも自社で活かせる実務経験がある人(即戦力)」の方が、企業にとっては欲しい人材になるのです。資格はあくまで企業ニーズを満たすための、プラスアルファの要素に過ぎません。
資格が企業ニーズを満たすケース
転職において資格が全く役に立たないというわけではありません。当然、企業側が有資格者を求めていることもあります。資格が有利に働くのは次のような場合です。
有資格者の在籍が、法律で義務化されている場合
企業側の義務として、事業規模に応じて資格保持者を在籍させなくてはならない場合があります。たとえば不動産業では、従業者の5人に1人以上の割合で、専任の“宅地建物取引士”を所属させることが法律で義務付けられています。したがって宅建士の資格保持者は不動産業界では優遇されます。
求人票に必須資格の記載がある
求人票に必須資格が記載されている場合、その有資格者であることが応募の最低要件となります。新潟県では主な交通インフラが自動車ですから、営業や配送などの移動が必要な求人では普通自動車第一種免許を求められます。
ほかに例を挙げると、海外貿易の求人ならTOEIC〇〇〇点以上、経理なら日商簿記2級以上などと書かれている場合があります。これは実務を任せるにあたって、基礎的な能力の判断材料としている場合が多く、「最低限このレベルはできる」という証左になります。
一部の難関資格は、その努力が評価されることもある
募集職種とあまり関係がない資格でも、難関といわれる資格であれば、その努力を評価されることがあります。だからと言って資格をひけらかすのはNG。資格の有無を評価するかどうかは企業側の考え方次第です。能動的なアピールは控えるべきでしょう。
資格は厳選して履歴書に記載する
資格を持っている場合は履歴書・職務経歴書に書きましょう。注意が必要なのは、応募する業界や職種に関係ない資格を書きすぎることです。資格コレクターだと思われると、むしろマイナス評価になりかねません。
資格以上に大事なことは「経験」「意欲」「コミュ力」
企業の採用担当者は、資格以上にあなたのキャリアにおける実績や経験、そして入社後の成長意欲を見ています。また仕事を進めていくうえで重要な、チームワークや協調性といったコミュニケーション能力を面接で見極めています。もちろん資格も知識の証明になり、無駄なものではありません。ただ実際に仕事に活きてくるかどうかは、別の話ということを理解した上で、資格を転職に活かして頂きたいと思います。